「生きるぼくら」原田マハ

オススメ度 ★★★☆☆
高校のときにイジメを受けて以来の引きこもりだった24歳の人生(じんせい)は、母が出て行ったことを機に自らの力で生きようとする。目指したのは懐かしい祖母の家だった。
引きこもりだった人生(じんせい)が、子供の頃よく訪れた長野のおばあちゃんの家を訪れる。そこには同じように人間関係に悩む20歳の女性つぼみがすでにいて彼女は人生(じんせい)の腹違いの妹だった。そして、徐々に3人での生活が始まるのである。認知症のせいで人生(じんせい)とつぼみのことを認識できないながらも、2人に親切に接してくれるおばあちゃんによって、人生(じんせい)とつぼみは、やがておばあちゃんの作るお米に興味を持つのである。
少しずつ悪化して行くおばあちゃんの認知症と、その認知症が回復することを願いながら、お米作りに励む、人生(じんせい)とつぼみは周囲の人の温かさに支えながら人間としても成長して行くのである。
読んでいるうちに田舎の家や畑の匂いが恋しくなる。泥にまみれたり強い日差しの下で働くことの美しさや尊さが伝わってくる一冊。
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