「東京終了 現職都知事に消された政策ぜんぶ書く」舛添要一

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
前都知事である舛添要一氏が現職や都政について語る。

2024年の都知事選が結果としては小池百合子氏の再選となった。国政というものは法律を作ったり整備したりするという印象で想像しやすいが、法律に関与しない地方自治体レベルの都政や県政についても詳しく知りたくなって本書にたどり着いた。

タイトルからもわかるように本書は前都知事となる舛添要一氏が現職を批判するような形をとっている。現職である小池都知事に対しては全体的にはパフォーマンスを重視して、内容の薄い政策にお金を費やすという意見である。

そんななか並行して舛添氏がと指定として実現しようと努めていたこと、意識していたことなどが語られる。都政というものが漠然としてではあるがわかるだろう。印象的だったのは、家と同じように住む人や文化の変化に応じて、都市も30年周期でリニューアルが必要、という考え方である。確かに以前は人気の街だった渋谷や原宿が違った印象を与えるようになるのを見ると、コンセプトを持って都市をリニューアルしていることが伝わってくる。

著者は、長年作家など行政経験の乏しい都知事が続いたために職員の意識が低下したことを嘆いている。改めてどんな人間が都知事にふさわしいのだろうと考えさせられた。1人の人間があらゆる知識を持っていることはありえないので、都知事に求めるものはむしろリーダーシップとコンセプトメーカーなのかもしれない。

全体的に主観的な意見が目立つが、現職の都知事を完全批判するようなタイトルの割には控えめな印象を受けた。本書は前都知事が現職を見た形で描かれているので、現実を少しでも偏見なく見つめるために、現職都知事の側から描いた都政についても読んでみたいと思った。

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投稿者: masatos7

都内でUI / UXデザイナー。ロゴデザイナーをしています。

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