オススメ度 ★★★★☆ 4/5
スクラムの手法を確立した著者がスクラムの生まれた経緯やその仕組みについて語る。
序盤はFBIやCIAなど、これまでのウォーターフォールにプロジェクトの進め方がうまくいかない事例を交えながら、スクラムが誕生するまでを説明している。
第二章ではチームについて解説しており、良いチームを作るための重要なことを説明している。そんななか、改めて強く頭に留めておきたいと感じたのは次の3つである
- 主体性
- 機能横断的
- 非難は無意味
今後、個人批判については、本書の次のフレーズを使いたいと思った。
プレーヤーを憎むな、ゲームを憎め
中盤からは実際の進め方を説明している。著者がデイリースタンドアップでの問いかけを次のようにしている点が印象的だった。デイリースタンドアップがただの報告会になっているなら、チームの妨げを語るのが良いだろう。
- 1.チームがスプリントを終了するために、昨日何をしたか
- 2.チームがスプリントを終了するために、今日何をするか
- 3.チームの妨げになっていることは何か
また、複数の作業を同時にこなそうとするマルチタスキングを完全に否定している。
マルチタスクは失敗の元
得意だからマルチタスキングをするのではありません。注意力が散漫なため同時にあれこれやろうとするのです。他のことに手をつけようとする衝動を制御できないということです。
スクラムの中で各自が幸せであることを重要視している点も印象的だった。本書ではスプリントが終わるごとに次の4つの問いに応えることを勧めている。
- 1.会社内での自分の役割について、一から五のスケールで表すとどう感じているか。
- 2.同じスケールで、会社全体についてどう感じているか。
- 3.なぜそう感じるのか
- 4.何を一つ変えれば次のスプリントでもっと幸せだと感じられるか。
昨今はどこにいってもプロジェクトをスクラムで進めている組織ばかりだが、より効果的にスクラムを利用するためには、このやり方に至った理由を理解することが重要だと改めて感じた。
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