オススメ度 ★★★★☆ 4/5
Jリーグの創設に関わっただけでなく、日本バスケットボール界の問題まで解決した著者が、その考え方を語る。
先日読んだ「日本のスポーツビジネスが世界に通用しない本当の理由」で、その「リーダーは独裁者でいい」という考え方に惹かれ、組織を動かすためのヒントが得られることを期待して手に取った。
前半は、日本バスケットボール界の問題やそれに関わり始めた過程と、そのなかでやったことなどが描かれている。正直バスケットボール界にはあまり関心がなかったが、どのスポーツでも同じようなことが起こっているのだと感じた。つまり、みんなそのスポーツを盛り上げようとしているのだが、その指向性の違いから混乱が生じたり諍いが生じて結果的にそのスポーツの発展を阻害しているのだ。
そして後半の「リーダーは独裁者たれ」という章で、リーダーたる考え方や、影響を与えた出来事、もしくはお手本となる人物やその行動を語っている。そのなかで、ハンス・オフト、ジーコ、イビチャ・オシム、岡田武史など、数々の日本代表監督についても語っている。著者も最初からリーダーシップを持っていたわけではなく、たくさんの人との出会いから学んで身につけていったものだということがわかる。
印象的だったのは次の項目である。
- リーダーには理論武装が必要
- インパクトのある言葉で「発信力」を持たせる
- リーダーは人に好かれなくていい
- ノイジー・マイノリティーに引きずられるな
- 私利私欲がない独裁者であれ
特に発信力については、あまり今まで意識して取り組んでこなかったことなので、ぜひ今後の活動として考えてみたいと思った。改めてリーダー像というものを考え直すきっかけとなった。