オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
戦時中の満州で3人の少女、珠子(たまこ)、茉莉(まり)、美子(よしこ)が出会う。戦争に翻弄された3人の人生を描く。
珠子(たまこ)と茉莉(まり)は日本人、美子(よしこ)はミジャという名の朝鮮人だったが、満州にきたことで日本語を覚え、日本の名前を名乗るようになる。やがて、3人は戦争の終結とともに、日本と中国で別々の人生を歩んでいくのである。
珠子(たまこ)はそのまま中国に止まり、やがて中国の家族とともに生きることとなる。また、茉莉(まり)と美子(よしこ)はやがて日本に行きそこで終戦を経験する。家族を失ったり、兄弟と離れ離れになったりしながらも苦難の時代を生き抜く3人を描いている。
戦時中に中国人の家族の一因として育てらた日本人は山崎豊子の「大地の子」でも描かれていたが、本書はそんな珠子(たまこ)だけでなく、茉莉(まり)と美子(よしこ)による、日本の終戦後の様子も描いている。すでに終戦から80年だが、今後もなんども形を変えた物語として伝えられていくのだろうと感じた。
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