「新参者」東野圭吾

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
2010年このミステリーがすごい!国内編第1位作品。

日本橋で女性が殺された事件の捜査で着任したばかりの加賀恭一郎(かがきょういちろう)は、地域の人々の話を聴きながら少しずつ真実に近づいていく。

日本橋で生活するさまざまな人々の視点に移り変わりながら進んでいく。そして、刑事の加賀(かが)は鋭い観察眼で真実に近づいていくのだが、事件の解決だけでなく、そこで出会う人々に対して人間味を持って接していく点が印象的である。日本橋にある多くの伝統的なお店が登場する点も面白い。

そんな加賀(かが)の尽力によって少しずつ真実が明らかになっていく。被害者である母、離婚して新たな人生を歩み始めた父、そして自らの夢をおって家を出た息子、それぞれ悩みながら生きていることがわかる家族の物語である。

頭の中だけで物語を作り出し、特に現実世界の下調べなどに時間を割かない東野圭吾の作風に物足りなさを感じてしばらく遠ざかっていた。しかし、どんな作家も時間が経つとともに作風に変化があり、本書はそんなことを改めて感じさせてくれる1冊だった。評価の高いものからもう一度読んでみたいと思った。

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投稿者: masatos7

都内でUI / UXデザイナー。ロゴデザイナーをしています。

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