オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
第155回芥川賞受賞作品。コンビニの開店から18年間務める古倉(ふるくら)はコンビニで働くことが生き甲斐であり、そのほかの仕事は一切できない。家族に心配されながらも今日もそのコンビニ人生は始まる。
コンビニで18年働いてきただけあってコンビニの様子が細かく描かれている。一度は普通に就職しようとした古倉(ふるくら)だが、今は諦めてコンビニ生活を送っており、コンビニで働くために体調を整えることまでやっている。親や妹に心配されながらもコンビニ店員として生きていく古倉(ふるくら)だが白羽(しらは)という世の中を卑下する社会人がアルバイトに入ったことから少しずつ人生は変わり始める。
世の中は、普通に働いて普通に結婚しないと奇異の目でみられる。そんな思いをなんども経験した古倉(ふるくら)だが、コンビニのアルバイトという人間関係の中でさえも、適応できない人間ははじき出されることを目にする。社会の縮図としてコンビニを描いているようだ。
芥川賞受賞作品ということで、そこまで作家の技術や、内容の濃さは感じないが、それなりに楽しくよませてもらった。なによりもコンパクトにまとまっている点がいい。
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