「A Cold Trail」Robert Dugoni

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
シアトルの自宅の建て替えのために故郷のCeder Groveに戻ったTracyは地元の警察署長であるCallowayから1993年になくなったHeather Johansenの殺害事件に関連した未解決の事件の捜査を依頼される。娘のDaniellaのために、誇れる故郷を作ろうとTracyはその真実の解明に乗り出す。

Tracy Crosswhiteシリーズの第7弾である。Danと結婚し娘のDaniellaが生まれた後の最初の物語である。20年以上前に亡くなったHeather Johansenの事件の真実を探っていた記者のKimberlyと元弁護士のMathewが不幸な事故によって相次いで亡くなったのである。事故と片付けるにはあまりにも不可解な死の謎を解くうちにCeder Groveの暗い部分が少しずつ明らかになっていくのである。

序盤は娘を危険に晒すことを不安視して、捜査に参加するTracyに反対するDanだが、少しずつTracyの考え方に理解を示していく。本作品は久しぶりにシアトルではなくCeder Groveを舞台としているため第1弾につづいて、Tracyや妹のSarahの過去とのつながりが描かれる。事件の解明の手がかりを探してSarahの日記を読んだり、捜査のために昔の友人にあったりするのである。昔は若かった友人たちが、40歳を超えてそれぞれ街の中心として生きているというギャップが面白い。ある人は出世しある人は結婚して母となっているのである。明るい未来を語りながらも、やがて平凡な大人へとなっていくのである。

毎回このシリーズには事件解決とは別に、家族や仲間のテーマがあるのが面白い。今回は、娘のDaniellaが生まれたことによる、TracyとDanの生活の変化や考え方の変化が重要なポイントと言えるだろう。DaniellaのベビーシッターとしてTracyの家にやってきたThereseが、アイルランドの文化を持ち込んできた点も面白い。シリーズが進むごとに家族の形態が少しずつ変化しているのも興味深い点だろう。Danilellaが大きくなるに従ってどのような家族になっていくのか注目して続編も読んでいきたい。

投稿者: masatos7

都内でUI / UXデザイナー。ロゴデザイナーをしています。

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