オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
30年以上新聞社で校閲業務に関わってきた著者が読みやすい文章を書くための文章術を語る。
仕事で人の書いた原稿を受け取る機会があり、その文章の不自然さを感じながらも改善の仕方を感覚的にしか説明できず、良い文を書くためのルールを説明できるようになりたいと思い、本書にたどり着いた。
本書では、さまざまな読みにくい例を挙げて、その文を読みやすくする方法をいくつかのポイントを交えながら解説しており、僕自身日本語は結構自信があったのだが、いくつかの項目で、まだまだ曖昧にしていることが多くあることに気づかされた。
意外とやりがちだとおもったのは「述語にかかる品詞はそろえる」という考え方である。
明日の会議の目的は、新会員の紹介と、来年度予算を審議します。
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明日の会議の目的は、新会員の紹介と、来年度予算の審議です。
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明日の会議の目的は、新会員の紹介と、来年度予算の審議です。
彼の短所は、マナーや常識に欠ける。
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彼の短所は、マナーや常識に欠けるところだ。
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彼の短所は、マナーや常識に欠けるところだ。
また、修飾の順序についても次のように説明している。
「句は前、詞は後」、「長い修飾語は前、短い修飾語は後」
普段不自然さを感じて改善しているだろうことだが、「なぜ?」と聞かれると答えられない。このようにはっきりと言語化してくれる点がありがたい。
そして、もっとも仕事のなかでよく見ると思うのが「敬語連結」と表現されるもの
話題のテレビドラマ、ご覧になっていらっしゃいますか?
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話題のテレビドラマ、ご覧になっていますか?
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話題のテレビドラマ、ご覧になっていますか?
尊敬語の「ご〜になる」の形と「いらっしゃる」の形を連結させた、敬意の過剰表現として避けたほうがいいと説明している。
普段外国語の勉強ばかりであまり日本語へ注意が行かないが、こうして改めて見てみるとまだまだ伸びしろがあることに気づかされる。
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