オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
自らの本心を偽って、人を笑わせながら生きる葉蔵の成長していく様子を描く。
さすがにここまでタイトルが有名な作品を読んだことがないというのもどうかと思って今回読むに至った。
漫画家を目指しながら、お酒と女に溺れ、少しずつ堕落していく。そして、やがて脳病院に入院させられ、自らもはや自分は人間でない、人間失格である。と思い至るまでを描いている。
物語として面白いかと問われれば、それほどではない。人によってはこの葉蔵の弱い生き方に、共感する部分もあるかもしれないが、僕にとってはそれほどではなかった。なぜこの作品がここまで名を残しているのか、という考察という行為を含めれば多少興味深い部分もある。やはり太宰治という作家の自殺の直前の物語という文脈も手伝って本書はここまで有名なのではないかと感じた。機会があれば「晩年」「斜陽」なども手に取ってみたいと思った。
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