オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
「歌舞伎町セブン」「歌舞伎町ダムド」に続く歌舞伎町セブンのシリーズ第3弾。今回は短編集として5つの物語を収録している。
最初の2編は過去の物語に似た、悪者制裁の物語。そして後半3編はややイレギュラーなドタバタ劇。最後の1編は過去の歌舞伎町セブンやほかの誉田哲也の物語に絡む物語なのでシリーズのファンには欠かせないだろう。
この物語はやはり、悪者制裁のスッキリ感がいいのだろう。世の中では必ずしも悪者が報いを受けるとは限らない。だから人は、遠山の金さんとか、必殺仕事人とか、水戸黄門に惹かれるのであり、歌舞伎町シリーズもまさにそんなニーズに応えているのだ。そういう意味では、今回のように複雑な人間模様が描かれて悪者制裁が行われない物語というのはニーズとは違うのかもしれないと感じた。僕自身読んでいて、単純な前半の2編の方が楽しめた気がする。
とはいえ、著者としては単純な物語はよりも、入り組んだ人間関係やにしたり複雑な心情描写を入れ込んだりするほうが描きごたえがあるのだろう。
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