オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
スピーチライターについてその仕事の内容と進め方について書いている。
スピーチライターという言葉が有名になったのは、やはりオバマ大統領の「Yes, we can.」に代表される魅力的なスピーチの数々による功績が大きいだろう。序盤はスピーチが歴史の重要な局面で重要な役割を果たしたいくつかの例を語り、スピーチライターが世の中に認められるまでの過程や、日本とアメリカのスピーチライターに関する意識の違い等を語っている。
中盤以降は実際のその仕事の流れを語っているが、その内容は必ずしも大それたスピーチやプレゼンの場だけでなく、日常の会話で役に立ちそうなものも含まれている。特に「共感を積み上げる」「反感は共感に変えることができる」というのは非常に興味深く、すぐにでも実行したいと思った。
終盤は実際に著者がプロジェクトでスピーチしている様子を詳細に描いている。もちろん、実際の企業などがわからないように多少言葉等は変えられているが、クライアントの気持ちや話し方にあわせて言葉を決めて行く過程や、実際に話す人と、スピーチ決定の担当者との意見の違いによって、内容を変えなければ行けないその過程は興味深い。言葉が持つ華やかさよりもずっと地味で根気を求められる仕事なのだとわかるだろう。
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