印象派の画家たちを扱った4つの物語。
「楽園のカンヴァス」と同様に、著者原田マハのキュレーターとしての知識を活かした作品。4つの物語はいずれも印象派の画家達を扱っている。クロード・モネ、メアリー・カサット、エドガー・ドガ、ポール・セザンヌ、ゴッホなどである。(この画家達を「印象派」とひとくくりにしてしまうことには議論があるだろうが)。ある程度西洋絵画に興味を持っている人なら誰でも名前ぐらいは聞いた事があるだろうし、どんな絵画なのかすぐに頭に浮かぶかもしれない。
本書が描く4つの物語はいずれもそんな画家達の日常を描いている。そこには絵を見ただけではわからないいろいろなものが見えてくる。ドガの踊り子に対する執着。セザンヌの貧乏生活。女性でありながらもすべてを捨てて画家を目ざしたメアリー・カサット。
今まで絵画に親しんできた人はさらに興味をかきたてられるだろうし、そうじゃない人は美術館に行きたくなるかもしれない。
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