オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
両親の勧めで人生再生セミナーに参加することになった東大生の浅川太郎(あさかわたろう)。会場である小笠原に向かうフェリーにそれぞれの参加者がぞれぞれの想いを抱えて集う。
3人の人生に悩む参加者に焦点があてられている浅川太郎(あさかわたろう)と、ヤクザとしての人生に疲れきった柏木真一(かしわぎしんいち)、自分の容姿に自信がないライターの森川由香(もりかわゆか)である。それぞれが出会った当初はそれぞれを蔑んだり敬遠したりしながらも、セミナーを通じてともに過ごす事に寄って少しずつ打ち解けていく。
著者が本書をもって何を訴えたいのかはわからないば、個人的に印象に残ったのはむしろ、そんな登場人物たちのエピソードではなく、舞台である小笠原の人々の経験談である。セミナー中に、戦時中の人々に当初の経験を話してもらうのだが、そこではアメリカから日本になった小笠原という場所に生きた人々の苦悩が見て取れる。彼らにとってはどこか遠くの地で決められたどうしようもないこと。その決定によって兄妹や友人とは離ればなれになってしまうだけでなく、日々使用する言葉までも変えなければならないのだ。
このような問題を語る時、人々の頭に浮かぶのは沖縄なのではないだろうか。小笠原という場所の歴史に興味を向けさせてくれる一冊。
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