「絶対にゆるまないネジ 小さな会社が「世界一」になる方法」若林克彦

オススメ度 ★★☆☆☆ 2/5
絶対にゆるまないというネジを開発したハードロック工業株式会社の代表取締役社長が、そんな世界に一つだけのネジの開発の過程やそれに関するエピソード、そして小さな企業が生き残るための心構えを語る。
北京オリンピックのとき、砲丸投げの砲丸も日本の町工場が作ったものがもっとも飛距離を出すとしてに話題になった。規模的に小さな日本の企業が、その質の良さで世界に受け入れられるのは同じ日本人として誇らしい。このハードロック企業の「絶対にゆるまないネジ」もまた同じように印象に残っていた。
本書は、そのネジの仕組みはもちろん、それがシェアを拡大するまでの苦労を描いている。「継続は力なり」とか商品にかける情熱が大切というような、多くの成功した企業経営者が書いていることばかりであまり驚きとともに受け入れられるような内容はないのが残念だが、他の成功物語と異なるのは、著者が営業の大切さを訴えている点だろう。「いいものだからといって売れるとは限らない」。これこそきっと小さな企業ゆえに重視しなければならない哲学なのだ。
プロジェクトXのような内容を期待して読むとやや期待はずれかもしれない。
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