「The Hunger Games」Suzanne Collins

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
その地域を支配していた一つの地区、その権力を誇示するために、ほかの12の地区から男女1人ずつを選び、計24人の男女による生き残りゲーム、「ハンガーゲーム」を開いていた。Katnessはクジで選ばれてしまった妹Primの代わりにHunger Gameに出る事を決意する。
一言で言ってしまえばバトルロワイヤルの焼き直し、ということになってしまうのかもしれないが、それが地域間での争いの果てに起こったという背景設定や、未来の物語であるという点が異なる。また、参加者24人それぞれが異なる地域の出身であるがゆえに、その地域の属している産業や自然環境によって、得意とするもの、知識が異なるという点も面白い。
スポンサーというシステムも物語を面白くしている要素の一つである。スポンサーは自らが勝たせたい参加者に贈り物をすることができるのだ。それは水だったり食べ物だったり武器だったり薬だったりと、ハンガーゲームの戦況を左右するものになりうる。だから、参加者たちはハンガーゲーム開始前のデモンストレーションやインタビューで、可能な限りスポンサーを得ようとアピールするのだ。ハンガーゲームの趣旨に賛同しようがしまいが、それが自らの生死を左右するからである。
さて、物語の性質上優勝するのはこのKatnessなのだろう、と誰もが予想するので、興味の対象はその過程になる。ハンガーゲームの途中で仲良くなった女性とは最終的に殺し合わなければならないのか。同じ地区から出場した男性とは恋愛関係になるのか。
最後は若干行き過ぎな印象もあるが、常にスリリングな展開で、読者を一気に読ませる力のある物語。すでに2つの続編が書かれているということなので、機会があったら読んでみたい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。