オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
神山高校の古典部を描いた物語の第4弾。
本作品は前3作と違って、短編集となっている。古典部の4人、省エネがモットーの折木奉太郎(おれきほうたろう)、物事は広く浅く取り組む福部里志(ふくべさとし)、そして地元の名士の娘、千反田(ちだんだ)える、そして福部に想いを寄せる伊原麻耶香(いはらまやか)。
例によってあまり重要でもない日常の謎に挑み続ける4人。他愛のないことだけどどこか深みを感じさせるエピソード。印象的だったのは、6話目の「手作りチョコーレート事件」。福部里志(ふくべさとし)に想いを寄せる伊原麻耶香(いはらまやか)は毎年バレンタインデーには、福部(ふくべ)にチョコレートを渡そうとするのだが、彼はどうにかして受け取ることを回避しようとする。そこには福部(ふくべ)なりの深い理由があった…。
軽い物語の寄せ集めではあるが、だからといって読み終えた瞬間に記憶から消えてしまうようなものではなく、むしろ何か心の中に漂い続ける深みがある。悪くない一冊。
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