オススメ度 ★★★★☆ 4/5
聖書の内容を知っていれば西洋絵画はもっと楽しめるはず。そういう考えでよく絵画に扱われるエピソードや、有名な絵画を例にとって解説している。
旧約聖書を中心に解説し、それぞれのエピソードで有名な絵、そしてその絵の登場人物の判断の仕方を解説している。当たり前のことであるが、各々のエピソードに登場する人物に対して、それぞれの画家の持つ印象は異なる。それゆえにその人物はそれを描く画家によって風貌が異なる。そういったなかで、どうやってその人物をそれと判断するか、と考えたときに、「アットリビュート」という物の存在が重要になる。
「アットリビュート」とは「○○を持っているのは○○だ」という考え方である。必ずしもそれは物ではなく時にはその風貌。例えば年老いているはず、とか若いはず。という要素として現れてくる。驚いたのは、絵画のなかに善と悪が存在する場合、右に位置するものが正しいということ。それゆえに「右(right)」=「正しい(right)」なんだそうだ。
本書で初めて知った印象的な画家は、アンドレア・マンティーニャ。ぜひ今後もしっかりとチェックしたい。
いずれにしても聖書の物語をしっかりと把握しておかないと理解しにくいものばかりで、まだまだ学ぶことは一杯あり先は長い、と感じさせてくれる一冊であった。
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