オススメ度 ★★☆☆☆ 2/5
フリーターの秋川瑞希(あきかわみずき)はとある霊能力者の通訳を勤めることとなった。過去の苦い経験から霊能力を嫌悪しながらも、初日から男性の遺体を発見してしまう。
瑞希(みずき)がテレビスタッフと霊能力者の間で右往左往するエピソードと平行して、本作品中ではもう一つの物語が進んでいく。それは中国の田舎で育ちながらも、日本でお金を手にする夢を描く、中国人兄妹である。
個人的にはその中国人兄妹の日本に密入国するための過程や、日本に到着した後の現実と夢のギャップに打ちひしがれる姿などに、興味を覚えた。
そんな2つの物語が終盤どのように結びつくのか、読者はそんなことを考えながら読むことだろう。
さて、誉田哲也の作品といえば女性の主人公がいつも魅力的なのだが、本作品の秋川瑞希(あきかわみずき)にはやや個性の弱さを覚えた。霊能力という部分ですでに現実からやや離れているという点が、それぞれの登場人物の現実味を薄めている一因かもしれない。
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