オススメ度 ★★☆☆☆ 2/5
ミチオは欠席した友人の家を訪れた際、首を吊って死んでいるその友人を見つける。しばらくしてその友人はミチオの元に、蜘蛛に姿を変えて現れる。蜘蛛になった友人の訴えを元にミチオは妹のミカとともに真相を知ろうとする。
幾ページも読まないうちに、その荒唐無稽さ、過去に読んだことのない不思議っぷりに戸惑った。自殺した友人が蜘蛛に生まれ変わってミチオの前に現れた時点で、かなりしんどくなったが、それでも読み続けたのは、物語をそこまで現実離れしたものにしてさえも訴えたい何かが最後にあるのではないか、そう思ったからだ。
最終的にその期待に応えてくれたかというと首をひねらざるを得ないが、まあ、こんな物語もありかな、と納得することはできた。
往々にして誰かの心に深く突き刺さる何かは、ほかの人から見ると逆にひどくくだらなく見えたりする。だから、僕がこういう評価をしたこの作品が、誰かの心を鷲掴みにする可能性もないとはいえないだろう。
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