「博士の愛した数式」小川洋子

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
第55回読売文学小説賞受賞作品。第1回本屋大賞受賞作品。
家政婦を務める主人公は、家政婦紹介組合からの紹介でとある男性の世話をすることになった。その男性はその男性は数学の博士で、交通事故により80分間しか記憶を保持することができない。博士と主人公の私、そしてその息子のルート、3人の不思議な物語である。
素数、友愛数、完全数など昔習ったような記憶を持ちながらも忘れてしまった数学の言葉が多々出てくる。この物語は理系の人間が読むか、文型の人間が読むかで大きく印象が異なるかもしれない。また、80分しか記憶が持たない人間がどのような気持ちになるのか物語を読み進めるうちに考えることだろう。たった80分間のために何かを学ぼうと思うだろうか、向上心がわくだろうか。人と会話をしようと思うだろうか、と。普段考えないことを考えさせてくれる作品ではあったが、この物語が世間で受けている評価ほどすばらしい作品とは思えなかった。
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