「スカイ・クロラ」森博嗣

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
どこの国の話かわからない。いつの時代の話かわからない。そして僕には縁のない戦闘機のパイロットの話。だから話に入っていくまでに少し時間がかかるかもしれない。
「死」に近い場所で生きている主人公たち。こんな生活をしていればこんな考え方になるのかもしれない。決して共感はできないが、ひょっとしたらそうかも・・・そう思わせてくれるシーンが多々ある。一つ印象的なセリフを挙げる

生きている間にする行為は、すべて退屈凌ぎなのだ。

なるほど、そうなのかもしれない。結局いつか自分がこの世からいなくなることはわかっている。それなのになぜ僕らは学んだり遊んだり恋したりするのか。そう、退屈だからだ。なんかそれで説明できてしまうからおもしろい。
今まで読んだ本にはなかった不思議な感覚を覚える。ありきたりな本に飽きた人にはお勧めである。
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「「スカイ・クロラ」森博嗣」への1件のフィードバック

  1. 生きている間にする行為は、すべて退屈凌ぎなのだ、と言う紹介文に、ふと釣られて読んでみました。
    文句なしにカッコいい。
    個人的には10個くらい星をあげたいです。
    謎だらけの主人公達に状況設定、そんな不条理さがだんだんと明らかになっていく過程が面白い。
    しかしラストでは、その掴んだと思っていた真相さえも、主人公の妄想なのか狂気なのか、何がなんだかわからなくなる。
    狐につままれたような、最高のトリックを見せられたような、思わず「やられた・・・」とうめかざるを得ない一冊。
    そういった小説自体の仕掛けも面白いが、思想的にも深い。
    作者が捨て身で訴えかけてくるようなメッセージが幾つも胸に残った。
    ぜひ読んで欲しい作品です。
    ちょっとネタバレしちゃったかな?笑
    でも、作品の良さは読まないとわからないので・・・

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