「破線のマリス」野沢尚

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
第43回江戸川乱歩賞受賞作品。
テレビというメディアには力がある。ほんの数十秒の映像で世の中を味方にも敵にもできるのだ。「破線のマリス」の中では、編集によって真実とは別の意図を持った映像が電波に乗って流れて行くシーンがある。実際、現代でも世間の思いをある方向に導こうとする、おおげさな表現や映像は使われていると聞く、そんな中この作品の中で作者が必死になって伝えようとしているのは、今見ている映像が真実かどうか、それを疑い、それを判断する力をつけろということだ。幸いなことに僕らはインターネットという道具を手にしている。真実を探すことができるではないか。
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