テンションのあるデザイン

デザインを考えるときにデザイナーは常にバランスを考える。形のバランス、色のバランスなど、バランスはデザインを始めると最初に意識することと言ってもいいだろう。バランスをしっかり考えるからこそ綺麗なデザインが出来上がるのである。

しかし、残念ながら良いデザインとはバランスの良さだけで成り立つものではない。もちろん、それは何をどんな目的でデザインするかによって大きく変わる。例えば、毎日触れるようなアプリのUIであれば、綺麗でシンプルなデザインの方が飽きず長く使ってもらえるだろう。一方で、わずかな接点から行動を起こさせるバナー広告などは、綺麗でバランスが良いだけではなかなか記憶に残らない、もちろん結果にもつながらない。

そこで考えるべきがテンションである。バランスだけでなくテンションを使いこなしてこそ良いデザインを生まれるのだ。

テンションを一言で説明するのはなかなか難しいが、人間はどんなときに行動を起こす必要性を感じるか、つまりどんなときに焦るかを考えるとわかりやすいだろう。それは誰かが怒ったり泣いたりしているとき、何かが倒れたり崩れたりしようとしているときである。

自分が最もテンションの説明としてわかりやすかったのは次のようなものである。

バランスは良いがテンションがない
バランスは良くテンションもある
バランスは良いがテンションがない
バランスは良くテンションもある

テンションとバランスの違いが伝わっただろうか。

こちらの記事ではテンションという言葉を使ったが、動きのあるデザイン物語(ストーリー)のあるデザイン、などの言葉も同じようなことを指すと考えていいだろう。

デザインを作る際、今作っているデザインにテンションがあるべきかテンションが込められているか、を常に考える癖をつけるといいだろう。

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